津野山神楽「山探し」高知県高岡郡梼原町 2022
高知県 高岡郡梼原町
津野山神楽「山探し」
つのやまかぐら やまさが
芸能の概要
津野山神楽が、いつの頃から、どの様にして興ったものであるかは定かではないが、
延喜13年 (913) に藤原経高が津野山郷(現在の梼原町、津野町) へ入国した際に、
伊豆 (静岡県) より三島大明 神を勧請して守護神として祀られた時から、代々の神職により歌い継ぎ、
舞い継がれたものと伝 えられている。
昭和20年の敗戦と神楽修得者の減少により保存継承が困難となり、
一時廃れかかっていたが、昭和23年神楽復興の気運が起こり、梼原町津野山神楽保存会が設立された。
それまでの神楽は、代々特定の神職により世襲的に舞い継がれ、門外不出とされていたが、
当時この技を習得している唯一人の神職、 掛橋富松翁を師として、
旧習を破り村内各地区から推された青年十数名に口伝により伝承講習された。
その後は、歴代の首長が保存会長となって保存・ 継承されている。
津野山神楽は、「宮入り」、「幣舞」、「手草」、「天の岩戸」、「悪魔」、「大蛮」、 「菜」、
「三笑」、「筺 探し」、「弓舞い」、「鬼神退治」、「猿田彦」、 「長刀」、 「折敷」、
「妙見」、「豊饒舞」、「鯛つり」、「四天」 の18節からなり、
正式に舞い納めるには約8時間を要す。
急テンポの楽に合わした舞でありながら、優美荘重で雅の言葉そのままである。
昭和55年1月28日に「土佐の神楽」の一つとして国の重要無形民俗文化財に指定された。
収穫を終えた秋のひととき、町内の各神社で神楽太鼓が響きわたる。